ジョニーのビリヤニはスパイスが弱い?強い?

人によって感じ方は様々ですが、私なりの見解を書いていきます。

その前に前提としてスパイシー=赤唐辛子以外のスパイスの強弱です。

そして、唐辛子系の辛味は必要最低限な唐辛子の風味を加えるにとどめています。当店のビリヤニで辛さが足りない人はテーブルのチリパウダーを使ってください。

さて、前置きが長くなりましたが結論としては、当店では「とあるスパイスを抜く」ことで、スパイス感を強くしています。矛盾しているように感じますね。

ではどういうことか説明しましょう。

現在日本である程度まともなビリヤニが食べられるお店のほとんどは、市販のビリヤニマサラというミックススパイスを使用しています。だからどこで食べても、チキンとマトンのビリヤニを両方頼んでも、同じような味がするんですねー。もちろん当店では市販のミックススパイスを使用していません。

そしてこの市販ミックススパイスの中に、「ケウラー」という香料が入っています。マトン系の煮込みカレーを作る時にも使われます。これをスパイスと呼んでいいかは微妙ですが、とにかくこいつがクセモノです。
(ケウラーについて詳しくはこちら)

確かにこのケウラーが入っていると、現地感が強くなります。現地でも大抵の場合使われていますから。しかし、多くの場合、このケウラーがほかのスパイスを打ち消してしまいます。

これをどう例えたらいいのだろうと東京から帰りの車で考えていたのですが、今、自分で一番納得できる例えがこれです。

「たこ焼きの味はソースとマヨネーズ」

関東出身の私としては、大阪でたこ焼きを食べるまでそう思っていました。しかし、塩や出汁、何もかけないで食べるたこやきもありますよね。そしてそのほうがたこ焼きに使われる小麦粉の味、出汁の味、タコの味が鮮烈に感じられるわけです。

ケウラー=ソース&マヨネーズと考えて頂ければ、ケウラーを抜いたジョニーのビリヤニは、お米の味、スパイスの風味、肉の味がよりくっきりと表れるということです。

ちなみにこのケウラー、花からとった香料のはずなのですが、インドではバスマティライスの香りのケウラー、サフランの香りのケウラーなんてものもあります。いつからかケウラーという単語は「香料」くらいの意味になったのでしょうね。

インドでもケウラーを使わないビリヤニ屋さんはいっぱいあります。そしてそのほうが味の個性が出やすいです。私の好きなビリヤニ屋さんはケウラーを使っていない所が多いです。ぜひ皆さんもインドに行った際はいろんなビリヤニを食べ歩いてみてくださいね。