【ジョニーのチキンビリヤニ、3周年のリニューアル】

ジョニーのチキンビリヤニ、3周年のリニューアル

 

もうこれ以上旨いチキンビリヤニは作れない。作ろうと思ったらもう一度インドに行かなくては、と思っていました。しかし3周年を迎えるにあたり、これをきっかけにもっと旨いビリヤニを作れないか、何度も何度も試行錯誤しましたがまた挑戦してみることにしました。

 

過去にインドで食べたビリヤニのデータを掘り起こし、片町で創業した際のレシピノートをひっくり返し、原点に立ち返る。

 

「そうだ、本当は骨付き鶏もも肉を使いたかったんだ。」

 

3年前、今よりビリヤニの知名度が低かった時(今でもまだまだ知られていないと思いますが)、誰でも食べやすくするため、普通の鶏もも肉を選択しました。というよりは、創業準備中に試作していたのがちょうどクリスマスシーズンで骨付き鶏もも肉が手に入りやすい時期で、私は年中それが手に入るものだと思っていたところ、そうでもなかったという経緯もあります。

 

いずれにしろ、平日の昼から食べにくい(と思っていた)骨付き肉を提供していては来店のハードルが高いだろうという結論にたどり着き、夜は骨付き鶏もも肉を使い、チキンSPビリヤニとして販売していました。

 

骨付きの鶏肉ならどこでも売ってるじゃん、というコメントをいただきそうなのであらかじめ付け加えておくと、私が探していたのは骨付きの鶏もも肉でもドラムスティックと呼ばれる鶏もも肉でも下ももの部位で、なおかつハラール対応のものでした。

 

そのうち平日の昼でも骨付きのラム肉を使うようになり、案外骨付きでも大丈夫なんだなーと思っていたら1周年直前でコロナ。

 

ここから怒涛の冷凍通販ビリヤニ作りが始まりました。通常の店の営業に加えて多いときは50食、忙しすぎて記憶がないですが一日100食分のビリヤニを作っていた日もあったと思います。当時は1鍋で最大18人分しか炊けなかったので、ランチ営業終わった後に2鍋同時で3回戦、最後のビリヤニを作り終えて容器に小分けし、冷凍にかけるころには少し空が明るくなっていました。

 

通常ありえないサイクルでビリヤニを作り続けていたので、ビリヤニのPDCAサイクルがぐるぐる回りました。これをもっとこうしたら美味しくなるんじゃないか、というアイデアを次のビリヤニ作り(2時間後)で試したり(ビリヤニは一度に大量に作らないといけないので一般家庭でこれをやると1か月分のビリヤニが出来上がります笑)、発送作業も同時にこなしていたので煮込み時間がオーバーして、結果的に「あれ、こっちのほうが美味しい」というような偶然の発見もあり、この時期に今の材料・レシピでできる頂点に達したと感じました。

 

その後はビリヤニ作りのグレービーに魚粉を入れてみたり、提供はしていないけど化学調味料を入れてみたりと迷走?した時期もありましたが、結局下手なことはしないほうが良い、という結論にたどり着きました。

 

そして2021年9月、現在の場所に移転しました。大きく味を変えるなら今しかない!スパイス増やそう!辛くしよう!ということでスタンダードタイプの赤唐辛子からより辛い唐辛子に、パウダースパイスは少し増強、というアレンジを加えました。

 

辛すぎたようです。

 

通販商品のラインナップに追加するために「辛口チキンビリヤニ」を試作し、いざ食べたとき、突き抜けるようなスパイスの香り、ストレートに直撃する唐辛子の辛み、これは!バーワルチーのダブルマサラだ!これが至高のビリヤニだ!と興奮したのですが、私の記憶違いだったのでしょうか…。

(※バーワルチー インド・ハイデラバードにある老舗ビリヤニ店。2022年4月現在グーグルレビュー6万件で☆4.2のモンスター級レストラン)

 

今では辛さに関しては片町時代のマイルドな辛さ(唐辛子の風味が欲しいので最低限の辛さ)に戻し、食べやすさは元通りになりました。

 

鶏もも肉の値段が高騰していることもあり、改めて卸売各社に価格交渉や取扱品の確認をしていたところ、ようやく発見しました。骨付き鶏したもも肉。(ドラムスティック)。

 

スパイス感や辛さはそのままに、骨の髄から出る旨味が肉に残り、肉から出る旨味はコメに染みわたる。そんな最高なビリヤニができました。

 

新・チキンビリヤニ、新・チキンカッチビリヤニ、どうぞご賞味ください。

 

これ以上美味しいビリヤニ?ちょっとインド行ってきます。